聖地アンコールワットで模擬宇宙体験

アンコール遺跡群は、いくつもの寺院遺跡が点在する地域です。私は一番有名であろうアンコールワットでの、模擬宇宙体験(!?)が興味深かったです。
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ヒンズー教の宇宙感
アンコールワットは、ヒンズー教の宇宙観を元に作られたと言われています。真ん中の塔は神々が住まう聖山(メール山)で、周りを囲う3つの回廊は、ヒマラヤ山脈だそう。一番外側を囲っているお堀は、ガンジス川にあたります。
アンコールワットの小宇宙は、メール山で神と繋がることを意図して作られたんですね。

真ん中の聖山(メール山と呼ばれる)への道のり
ガンジス川(または、そこから発生している河川)で身を清めてから、( 寺院内のため池は、お清め用にもっとあったらしい)聖山を目指すことになります。
実際には、聖なる水で身を清める行為は省略です。
敷地内に入って、参道を歩くと、最初に通過するのが、スピリットハウスと呼ばれる小さな建物。これは魔除けですね。負のエネルギーを寄せ付けないバウンサーです。神社仏閣の参道入り口の、対になっている狛犬とか仁王様的な存在です。

その先の回廊(ヒマラヤ山脈)は、一つ一つが結界で、邪が通り抜けられない仕組みです。
各回廊に入るための急な階段を登る時、頭が自然に下がるのですが、これは神聖に対して頭を垂れる = 負のエネルギーを捨てる ということらしい。よく出来てるな〜と感心。
第一回廊に描かれている壁画は、国の成り立ち(神話)や、繁栄に至るまでの戦争話が多いのですが、

第二回廊、第三回廊になると、天女と神様ばかりになります。聖地に近づくにつれて、神聖なエネルギーが増えていくんですよ。

高所恐怖症には厳しい階段を登り、聖山メール山(中央祠堂)へ。
そこには、聖地、神秘的という言葉がぴったりな空間が広がっていました。
神とつながるために、下界とは切り離された神聖な場所。
ここで私は、瞑想中に体験する神聖な感覚と、祠堂のエネルギーが似ていることに気がつきました。
参道から祠堂への道のりは、ガンジス川からメール山への道のりです。人として生きることで発生する地球的なエネルギーを、神とつながるために清めながら歩む道。
瞑想でも、地球レベルでのエネルギーを消化して、たましいレベルにアクセスします。
だから、人として近づける神に一番近い場所という意味では、同じなんだな、と。

遺跡は星座と絡めて作られている
春分と秋分の日には、祠堂の上から日が登るそうです。ピラミッドのように、天文学的に計算されて作られたんですね。
あと、地球上にいくつかあると言われているエネルギースポットですが、ここはまさにそれなんじゃない?!と思わせるような土地のエネルギー。
土地のエネルギーに合わせて、天文学的な計算を尽くして作り上げた、聖地の縮小版である寺院。という感じでしょうか。エネルギーレベルが相乗効果ですごいことになっているので、
歴史的に見て、いろいろと起こってしまう土地であることにも納得です。
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歩きながらエネルギーを循環させて(エネルギーワークをしながら)神の意識に近づく行為は、どこかラビリンスを歩く感覚を思い出させました。
建築物やラビリンスのように、物理的な素材でエネルギーワークの枠組みを作るもの。スーフィーダンスのように、身体の動きと音を組み合わせて、特定のエネルギー状態を作り出すもの。チャント(お経)のように、言葉でエネルギーを呼び起すもの、など
時代も、形態も、文化も違うけれど、神とつながりたい意識は人類共通の願いなんだな。
ジャングルに数百年存在している、気が遠くなるような規模の寺院に圧倒されながら、
そのような建築物を創造してまでも、神とつながりたい(または神になりたい)人間の悲願、、、にも圧倒されるのでした。
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