選択肢としてヒーリングがある

ヒーリングという言葉は聞いたことがあるかもしれませんが、実際のところ何なのかはよく知られていません。ヒーリングのいくつかの特性の一つとして、自分の内面を見つめて、変えるというのがあります。外で起こっている出来事に執着しないで、出来事に反応している自分を変えていくことが、ヒーリング、または癒しと呼ばれます。

例えば、どうしても買いたいバッグがあるけど、高価なので手が出ないとします。その時、どうしますか? 少しづつ貯金をしてから買う手もあります。となると、そのために仕事を頑張る必要や、他の物を我慢する必要があるかもしれません。フリマアプリなどで、安く手に入るように調べることもできます。これはネットやアプリでいくらでもサーチできます。ストアでセールになるのをじっと待つこともできます。反対に、手に入れることを諦めてしまうこともできます。でも、諦める理由が必要になるかもしれません。お金がないから、実用的じゃないから、似合わないから、など。

この状況にヒーリングを取り入れるとはどういうことでしょう? バッグに向かっている自分の意識を内面に向けて、バッグを思う気持ちや欲に意識を向けることです。そしてその欲を見つめ、寄り添い、溶けてなくなるまで付き合い続けるのが、癒しです。これは、諦めるのとは違います。欲などの動機自体が溶けてなくなるので、諦める努力も不要になります。

こんな風に、外側に向かっている意識に執着しないで、内側の動機に付き合い、最終的にココロの不自由から解放されるのが、ヒーリングです。簡単に聞こえますか?

自分だけの問題なので、折り合いもつけやすいし、最終的にバッグを買うことが間違っている訳ではないし、バッグ一つ買えなかったとしても、人生が変わる訳ではない。深刻な問題ではないから、バッグの件は簡単です。でも、子供の進路、パートナーとの関係性、金銭トラブル、キャリアの昇格になると、どうでしょうか。過去の後悔や、許せない出来事はどうでしょうか。話はもっと込み入ります。それに、他者が関わっている時は、状況をコントロールすることはほとんどできません。状況が、組織、地域、行政、国、政治など大きな範囲になればなるほど、個人がコントロールできることは無くなります。

ある状況を抱えている時、努力したり、諦めたり、見ない振りをしたりと、いろいろな関わり方ができますが、その関わり方の一つの選択肢として、ヒーリングがあります。他者や状況に働きかけるのではなく、内側に働きかける。他者や外側の世界をコントロールすることはできませんが、自分の内側はいくらでも変更可能です。自分の内側という世界に寄り添って、どうして自分はそのような反応をしているのか、丁寧に汲み取っていく作業。そして汲み取った反応の正体に目を向け、溶かしていく作業です。

ヒーリングは選択です。人生や日常の中で行き詰まった時に、ヒーリングを選び取る時、達成感ではなく充実感を、成功ではなく幸せを選び取ることになります。

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