在日外国人が日本の占い産業について意見交換するバラエティ番組で、
「学校で占いを習った占い師には、幻滅する。」
「神秘性が台無し。」
「通学していた事実はできれば知りたくない」
と意見している人がいた。
占いやスピリチュアルの見えない世界は、神秘的であるのが理想だ
ととらえているよう。
占い師のスキルの高さや、内容の満足度うんぬん以前に、神秘的であることが前提らしい。
そもそも神秘的って、なんだろう?
調べてみたら、こんなのが出てきました。
人知でははかり知れず、また言葉にも言い表せないほど不思議なさま
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不思議で、把握しにくい世界は、思えば占いやスピリチュアルの他にもたくさんある。
家のリフォーム。コンピューター。金融。法律。車。アート。
素人にはまったくどこから手をつけていいのか分からない分野。
インドで小さなの天然石を一つ買ったことがある。
質の良し悪しを見分けることもできないし、相場も分からないわたしは、暗やみを手探りで進むように、買い物をした。
天然石の世界も、不思議で相場も分かりにくい。
で、ここでふと気がつく。
これらの世界での相場はピンキリ。
そして、それぞれに案内料をビジネスとしている専門家がいるではありませんか。
人知の及ばない世界ではないから、神秘という言葉でまとめるには無理がある。
でも、からくりが見えないという点で、不思議で分かりにくいという部分と神秘性はかぶっているのではないか。
霊感は市場価値が高い。
神秘性の高さと、値段が比例することも多い。
自分の知らない神秘を知っている専門家がえらい存在に感じて、自分なりに考えることを放棄、助言にまるごと同意することもある。
神秘って、マーケティング方法の一つだったりする。
からくりを隠したり、逆に暴いたりして専門性と価値を高めるビジネスはたくさんあるよね。
以前、シークレットっていう本がスピ界で大ヒットした。
引き寄せ法則のからくりを暴いたとされる内容で、秘密!神秘!にひかれる心理をついたマーケティングのお手本だと思う。

占いとスピに限って言えば、どうして人は神秘にこだわるのか。
人知の及ばない世界に関わる体験したいからだろうな。
特に、自分がちっぽけで無力でどうしていいのか分からなくなった時。
人知の及ばない世界は、とても魅力的に見える。
関わることで、自分も力を手にした気になれる。
他人事じゃなくて、わたしもこころ当たりあるけど。
優越感を増やしたい時も、神秘は使われる。
「他人の知らない何か」を教えてもらった。
「知っている人だけが知っている人」を知っている。
「人には言えない額」を払える。
他人と差をつけることで、特別な自分になったような気になれる。
でもね。
そんな神秘を切り売りにする占いやスピは、
実は、個人をバラバラに分裂させる作用が働くことは、あんまり知られてないんじゃない?
現実逃避的な精神状態が助長されたり、
自らの選択肢を他人に委ねたり、
依存を強めながらね。
そんな不安や依存をあおるために使われている霊感商法は、どうしてなくならないのか?
と考える方もいるかもしれません。
これは、需要と供給の関係だと言うしかありません。
独りよがりで思い込み激しく生きるために、神秘のベールを使いたい人はいます。
見えない霊感ビジネスを提供する側も、受け取る側も。
ここの所、大切なので、もう一回言います。
物事の本質を神秘のベールに隠しておきたい人は多い。
これを意識することで、霊感ビジネスへの関わり方が、だいぶ変わってくると思うのですよ。
チープなイメージもつきまとう霊感ビジネスですけど。
霊って、個人の中の霊的情報を呼び起こしたり、
バラバラに分断された個人を、統合へと導く力があります。
さなぎから生まれるちょう
星が瞬く夜空
雪の結晶
くじらの親子
人知を超え、言葉には言い表せない不思議に、思わず立ちすくみ、息を止め、言葉を失う。
感動という言葉が追いつかないほど、わたしの存在が揺さぶられる体験を起こすのも霊。
だとしたら、わたしたち人間の利害が通用しないくらい、次元が違うスケールの話なのです。
霊感ビジネスに関わるわたしは、そこ勘違いしちゃダメだよね、と常に自分に言い聞かせてる。

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