この木に会いに

自宅近くのトレイルは、気分転換したい時、何かあるたびに歩いてきた。ちょうどラビリンスみたいに、この道を歩くことで消化され、循環される感覚がいつもある。だから、事あるごとにトレイルに向かう。
1時間弱の登り道。息が軽く上がるくらいのゆっくりペースで歩き続ける。ここを歩くといつもと違う意識になるのは、この土地が持つ波動のせいだと思う。登りきって、目指すのは勝手に聖なる木と呼んでいるオークの木。ラビリンスの中心。
頂上の奥側は、スノールに面している。フリーウェイ側と100歩くらいしか離れていないのに、町側が暑い真夏でもナイルズキャニオン側からの冷たい空気が流れ込んでこの場だけは涼しい。木の横に座って、冷たい風に吹かれながら周りを見渡すとハイキングをする人がちらほら見える。ボーッとしていると、それまで抱えていた何かが体から抜けていく。すっきりした気分で、来た道を戻り始めると、さっきとは意識が変わっているのがわかる。

人がラビリンスを歩くのは、タマシイの歩みを思い出すためなんじゃないかと歩きながら思っていた。ゴールじゃない、でもそこにたどり着く事で自分の存在を確認するため。そしてまた人生という居場所に戻っていくのではないか。自分を見失った時、行き先がわからない時、そこにたどり着く事でリセットして、自分とのつながりを取り戻して、日常に戻る。日常とタマシイの世界の間のトンネルみたいだね。
2019-03-24 by
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