映画Usが濃い。深い。面白い。

ホラー映画やサスペンス映画は怖いので見れませんが、(日常生活とセッション中の霊やお化けは大丈夫なんだけど、、、)この映画は、ホラーを超えたエンターテイメントで、社会問題に切り込む面白すぎる映画でした。グロい場面は目をつぶりながら頑張って見て良かったです。
どこが面白いのか? 象徴としてのたくさんのイメージが、初めから終わりまであらゆるところに散りばめられているところ。映画を最初に見た時は気がつかなかったし、意味するところはほとんど理解することが出来ませんが、繰り返して見ると、象徴として使われているイメージに気がついてきます。うさぎとか、ハサミとかね。
表層意識では、ホラー映画としての怖さを味わうんですが、この象徴達が、別のレベルの深層意識に響くんです。表現や会話を通して具体的にメッセージを語りかけるのではなく、見る人それぞれの内側の象徴を通して、何かを響かせる。タロットでもそうですけど、象徴、シンボルは個人レベルの解釈とは別に、深層心理レベルで普遍的な意味を共有しているのです。夢で見るシンボルとも似ています。なので、この映画を見ると、自分の深い部分が響く感じです。
はっきりと社会問題を提示しているわけでもなく、具体的なメッセージをなげかけてくるわけでもない。絶妙な象徴とストーリーで、観客それぞれが意味を見いだすように作られているところが、傑作です。タロットを何回やっても、新しい発見があるように、この映画を何回見ても、その時によって違う気づきや見方ができる濃い作りです。だから、ハッピーエンドじゃないし、正義と悪もよくわからない。正解がでないので、見た後のすっきり感はありませんが、見れば見るほど映画の深みにはまる楽しさがあります。
メインの舞台が、サンタクルーズのボードウォークなのも、個人的に親近感があります。
ジョーダンピール監督の前作、ゲットアウトも傑作。