開運パワースポットの黄大仙で香港の行方を占ってみたら

香港。逃亡犯条例改正案への反対をきっかけに6月に始まったデモは、数ヶ月後の10月になっても、収まるどころかますますエスカレートしている。
お膝元であり、開運スポットとして有名な、黄大仙( うぉんたいしん )で、行方を聞いてみよう。

すべての願いを叶えてくれるとされる黄大仙は、願いを叶えてもらい、運を開こうとする香港人の本気が持ち込まれて、さらにエネルギーが高くなっている場所。
エネルギーに、良い悪いはない。欲も執着も不安も希望も、すべてはエネルギー。
より幸せになるために、より成功するために。綺麗ごとではなく何振り構わず上昇しようとする生身の人間のエネルギーを体感して、圧倒させられます。
寺神社でのお願い事は、
生身の人間として受け止めきれない現実や苦悩を、見えない世界に明け渡すことで、心を軽くするシステム
だとわたしは捉えています。
「 自分はここまでやったんだけど、これ以上どうにもならないの。そっちに回すから、ここからはそっちでなんとかしてくれる?」 と、「向こう側」にある程度引き取ってもらうことで、個人の負担を軽くします。
黄大仙では、神妙な日本の寺神社では体験できない「向こう側」との本気の交流を目撃することができます。願う人も真剣だから、受け取る「向こう側」も真剣にならざるを得ないのでしょう。
「向こう側」に投げかける際、「なんとかしてくれる?」といった気軽さはなくて、「どんな手段でもいいから、なんとかしてよね。」という香港(と中華圏)の文化的な押しの強さと交渉術がそのまま表れているようです。

こちら側の要件を伝えたあとに、「向こう側」から回答をもらいます。このような筮竹( ぜいちく )を振り、出てきた番号に対応した内容が、向こう側からの回答です。( 占い結果 )

たとえ結果が残念でも、風水や開運グッズで乗り越えていく術も用意されていますよ。

占い結果は、中国語で書かれた詩、唄になっているので、占い師さんに訳してもらいます。

わたしは、筮竹をふるとき、「 香港市民にとってベストな状態になっていくのか?」と聞きました。 わたしが考える「ベストな状態」は、「 特別行政区として、高度な自治権が保障される。」ことを意図しています。
筮竹占いの結果は、大吉。または良吉。だったのですが。占い師さんの説明は、
「 香港のデモ隊は、これから政府に鎮圧されて、平和が戻ってくるから大丈夫よ。」
ん〜。確かに、平和が戻ってくるのは良いですが、わたしが意図していた「ベストな状態」と、占い師さんがイメージする「良い結果」がずれていました。
大多数の市民が求める理想と、政策の間にある埋まらない深い溝が、こんな形で占いに出てきたようで複雑ですが、結果として葛藤が表現されたことには納得。
ちなみに。占い結果の唄を簡単に説明すると、「陽気な王がやってきて、杯をかわしながら、唄を読む。」= 「交渉や物事の運びは良」
まだまだ行き先不透明な香港の情勢。これをどう解釈しましょうか?
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